Vol.59|知的財産戦略の総合サポート

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時代先取りの統合発想法

 この統合発想法は、従来の延長線上でなく、全く異なった新しい観点で新たな商品やシステムを考えていくものです。

 統合発想法は三つのステップからなります。ステップ1は「目標の設定」です。検討の対象となった商品やシステム(仕組み、やり方)の目的を明確化して本来の目的を追求していきます。今まで誰が考えても疑問を持たない従来から考えられている目的をあらためて吟味して、その目的の上位の目的を探します。そして、上位の目的の中から適当な段階のものを選びます。

 

 その後改めて定義した目的にあうようなアイデアを出していきます。ここでアイデアを出す方法はブレーン・ストーミングなどの議論や他の発想法を駆使していきます。本来的に求められる商品やシステム(仕組み、やり方)の概要を描きながら、アイデアを出して行きます。本来の商品の姿や、あるべき姿を描き出します。複数出てきたアイデアの中から、これからの世の中や想定しているユーザーの姿を想定し、これはと思うものを評価・抽出して大まかな概要・コンセプトを掴み、次の段階に進みます。

 

 ステップ2は「具体策検討」段階です。描かれたコンセプトを具体的に実現化するための構成要素を機能レベルで検討します。コンセプトの構成要素や構造ごとに分解、コンセプトの実現コンポーネントを洗い出す作業、機能展開を行うのです。そして、各機能や構造ごとにその機能を実現する手段(アイデア)を出していきます。

 

 ステップ3は「具体的な実行方法の設計・検討、アイデア結実」段階です。

出てきた実現手段であるアイデアをどのような形で設計し現実の商品に作り込んで行くかを検討します。実現にあたっての阻害要因はないか、必要な技術は何か、社内に人材はいるのか、誰がやるのか、設備はどうか、どの程度の予算で実現できるのかなどを検討します。部品レベルで購入可能か、自社の中にある設備や人で実現すべきか、アウトソーシングしたり、大学などの研究機関とタイアップすべきかなどを実現手段ごとに必要な情報を収集して検討します。概念設計とか、詳細設計、スケッチを描くのです。

 

 そして、開発実行案を作成し、商品や製品として結実させます。また、どのように特許にとっていくべきかを検討します。ここでアイデアの中には既に他人が考えていたものが含まれている可能性がありますので、特許情報などの調査を行い、どの範囲で特許化できるのかを見極めます。

 

 これらのステップは必ずしもステップ1から順次行なう必要はありません。あるときはステップ2から始めても構いません。網羅的な機能展開がアイデアや発明のもれない検討や抽出に役立ちます。

統合発想法

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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