Vol.41|知的財産戦略の総合サポート

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特許調査の局面

 技術開発が行われている過程で、いくつかの特許調査をする必要性が出てくる局面があります。図はそうした局面をまとめたものです。局面ごとの特許調査の留意点をまとめました。

発明がなされ、同じ発明が無いかどうかを確認するための出願前調査があります。これは具体的な発明の内容を表す技術用語、または機能要素を検索のキーとして使います。

 製品開発や研究企画段階での調査では、技術動向や企業の動向を探り、研究の方向性を見たり、参入すべきかどうかの判断材料にします。動向調査のキーは技術分野を示す用語や、課題、さらには特許の分類を使うことが一般的には行われています。

 開発のヒントを得るための調査は、開発する上での問題点などを既に解決している発明を探すもので、開発課題、目的などをキーにするか、ある程度解決するための方法が想定されているのであれば、どのような技術内容なのかをキーにして調査します。

特許調査の局面

競合メーカの動き

 

 競合企業が明確になっている場合には、その企業がどのよう分野に進出しているか、特許化している技術が基本的な技術を抑えているか、応用範囲が多いのかなどを探ります。また、諸外国ではどの国にどのような技術を出願したり、特許権を取得しているかなどを調べる調査です。企業の名前で調査検索しますが、グループ会社の名義での出願もあり得ますので、その点を注意して調査にあたります。

 

侵害予防、警告対応

 

 特許侵害の予防調査は、開発設計した商品が他社の特許権を侵害することが無いかどうかの調査です。基本的には開発した製品に、どのような技術が特許の対象になるかを想定し、個別の発明があるのかどうかを調べることになります。また、特許化されている技術発明が発見された場合には、その発明を無効にできる更なる先行技術を調べることになります。いずれも特定の発明の存在を調べることになるので、出願前調査とキーなどは同じになります。

 他社から、特許権を侵害している可能性があるとして、警告状が送られてくることがあります。こうした警告受理時の調査は、まずは技術内容的に同じなのかどうかの判断をしますが、全く関係の無い技術をもって警告をしてくることはあり得ませんので、対象の特許の有効性を調査します。つまり出願前にどのような発明が存在していたのか、既に同じ発明があれば、権利の無効を主張することができます。また、審査の段階で特許庁に引用された文献に対し、どのような主張をしたのかなど、発明内容の補正や、特許庁に対する意見書などで、当該製品に使われている技術を除外するようなことなどの、我々に有利になる主張をしていることはないか、などを詳細に調べます。出願ファイル(包袋といいます)の内容も調査対象になります。最近は審査官との面接、面談、または電話やファクシミリを使ったやり取りもありますので、克明に調査し、登録に至るまでに弱点は無いかを調べておくことが必要になります。

 

自社権利行使

 

 他社への権利行使には、先の警告受理時と同じことを他社が行うことを想定し、自社権利の有効性を確認します。警告をして権利が潰されたり、警告先が持っている権利で逆に攻められる可能性もあり得ます。したがって警告先がどのような権利を持っていて、自社の他のビジネスへの波及や影響が無いのかどうかも確認する必要があります。また、他社が実施している可能性を示す証拠も収集しなくてはなりません。製品を分解して侵害状況が確認できれば良いのですが、そうした証拠を得ることが困難(製品入手ができないなど)な場合には、自社の発明が他社に引用されていることが多いなどの状況が分れば、自社特許を使った発明が改良発明として登録されたり、製品に使われている可能性を示す傍証として使うことも考えられます。

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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