Vol.32|知的財産戦略の総合サポート

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著作権とは

 著作権は、人が何らかの形で表現したモノを保護する権利です。図に著作権の概略を示しました。

著作権とは

 法律では思想や感情の創作的な表現で文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものが著作物に該当します。目的に文化の発展に寄与するとしてありますが、例えばコンピュータのプログラムも保護の対象となり、文化の意味が文芸に限らないことになっています。したがって、人の思想、感情の創作的な表現と言っても何らかの形で創作的に表現したモノは全て著作権に該当すると考えておく方が安全です。
 著作権法で細かく、定義されている著作権の例を図に示しました。思想感情の範囲が相当広く、しかも様々な著作物が例示されています。

著作権の例

 表現が、文字や図で表現されているものは勿論、彫刻などの立体的な表現、建築物、様々な図表、踊りなどの身体での表現、映画、写真と広範囲になっていることが分ります。製造業の図面や企画、取り扱い説明書など、様々な表現が著作物になります。
 著作権は、譲渡などの出来ない著作人格権と、譲渡可能な著作権に分れます。著作人格権は、創作した人の人格を保護するもので、創作者が持っている権利で、公表するかどうかを決定する権利、著作者の氏名を表示する権利、他人が著作者に無断で変更追加などをすることが認められず、同一性を保持しなければならない権利があります。つまり、創作者の意向に反して公表したり、改変する事は一切認められない強い権利が著作人格権です。
 一方、著作者が認めて許可をすれば、複製したり、上演,演奏、送信、貸与、翻訳などの権利は譲渡することができます。
 著作権の保護期間は著作者の死後50年になっています。映画の著作物は公表後70年になっています。
 企業などでの業務上作成された著作物は公表してから50年が保護期間です。公表がされなかった場合には、創作後50年となります。

著作権の権利と保護期間

 著作権の侵害とはどのような事かを図に示しました。先に譲渡可能とした複製などの行為をすることが、権利の侵害になります。一切の複製は禁じられていますが、ソフトウエアなど、コンピュータの誤作動などで消滅してしまう恐れがあるものはバックアップを取ることは認められています。このバックアップは契約によってコピーを認めないこともありますが、バックアップを禁止している契約がある場合には、何らかの形で消滅したときに、提供者が新たにプログラムを配布する約束になっているケースが大半です。
 著作権である旨を表示する場合には、創作の年と著作者を明示することになっていますが、日本では著作権の表示は必須ではなく、表示が無くても創作者の権利は有効です。欧米では著作権表示が無い場合には権利を主張していないと判断される場合がありますので、注意することが必要です。近頃はインターネットなどの環境で、著作物が国境を越えて流布されてしまう恐れがありますので、図に示した著作権表示(著作権者と作成年が必須)を英文で記載しておくことが求められます。
 また著作権の例外として、個人で楽しむことを目的とした複製などは権利侵害とはなりません。しかし個人の発案で自らのためにコピーした場合でも、結果として企業の業務の中で使用することになる複製は禁止されています。
他に試験問題などに引用するときは、例外的に著作権者の許可なく著作物の複製を作る権利は認められているものもあります。

著作侵害

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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