Vol.26|知的財産戦略の総合サポート

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営業提案前にやるべきこと

 営業担当者は、顧客からのニーズを企業として最初に受ける立場にあります。顧客の要求を満たす提案をする前に、必ず特許出願を済ませておくことが必須です。たとえニーズを初めて提起された顧客であっても、そのニーズを満足する商品を開発したのであれば、顧客への提示前に出願を完了しておかねばなりません。提案した商品やサービスが他社の特許権を結果として侵害してしまうケースも未然に把握しておかねばなりません。
 こうした事前の特許出願や特許調査は営業部門で実施することは不可能でしょう。顧客ニーズを示した後に、顧客へのプレゼンテーションを行う前に、営業部門から開発部門や技術者に対して出願や調査が済んでいるかどうかを確認することも求められます。
また、営業活動で注意したいことに、権利の帰属や実施の取り扱いがあります。特に今まで存在しないような商品やサービスのニーズを顧客から聞いた場合には、顧客から権利の共有を求められることも出てきます。
 こうしたときに、営業の成約を急ぐあまり、顧客が突きつける様々な要求をうのみにしてしまうことが無いように留意すべきでしょう。顧客は競合他社への販売を制限したり、認めないこともあります。場合によっては販売高に応じて対価を請求してくることもあります。顧客自身が製造販売しないときには共有の権利の不実施料を請求してくることもあるのです。従ってこうした要求が顧客から出てくることを想定し、安易に権利の共有など、自社に不利になる約束をしてしまうことは避けるべきでしょう。

特許の帰属・実施の取り扱いの注意

本内容はJPDSから発行された書籍「企業活動と知的財産~なぜ今、知的財産か~」から一部抜粋して知的財産の基礎的な知識をお伝えしています。



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