創業100周年 タムラ製作所が挑む知財戦略:NewCSS活用最前線
2024年に創業100周年を迎えたタムラ製作所では、特許検索DBとしてNewCSSを全社で活用しています。
NewCSSならではの機能を活用した公報情報・全図面の表示方法や画面構成、結果一覧マップの活用など、実際の特許調査に役立つ、目的の公報を効率的に探すためのテクニックをタムラ製作所の島田氏にご紹介いただきました。
タムラ製作所とは
タムラ製作所の歴史・事業のご紹介
1924年創業、東京都練馬区に本社を構えるタムラ製作所は、日本のエレクトロニクス業界を牽引してきた老舗企業です。創業者・田村得松氏が立ち上げた「田村ラヂオ商会」は、日本のラジオ放送開始に先駆けて誕生し、ラジオの修理・販売からスタートしました。1935年には自社開発のラジオ用トランスを発表、1939年に「株式会社タムラ製作所」を設立。以来、電子部品、電子化学実装、情報機器の三つの事業分野で様々な市場のニーズに応える製品・サービスを提供しています。2024年には創業100周年を迎え、今も変わらずに技術革新を続ける企業として未来へと歩みを進めています。
同社の事業は、以下の3つの柱で構成されています。
- 1.電子部品
- トランス、リアクタ、電流センサなど
- 2.電子化学実装
- ソルダーペーストやソルダーレジスト、およびはんだ付け実装装置
- 3.情報機器
- 放送局向けの音声調整卓やワイヤレスマイクなど

素材からシステムまで、タムラのテクノロジーは
人々の暮らしの安全・快適や脱炭素社会の実現に貢献しています。
タムラ製作所の知財活動について
事業の多角化とともに、知的財産活動の重要性も高まり、タムラ製作所では自社権利の獲得と他社権利の尊重を両立するため、特許調査に力を入れています。その特許調査の効率化を支えるのが、特許情報検索サービス「NewCSS」。今回は、タムラ製作所がどのようにNewCSSを活用しているのか。最前線のNewCSS機能活用方法をご紹介します。
NewCSSとは
JPDSの提供する全社向け特許情報検索サービスでJP-NETの上位サービスにあたります。ユーザーと検索・公報サーバーの間に独自サーバーを設置することにより、パテントデリバリ(SDI)や、社内分類の付与・共有など、自社独自の情報を高いセキュリティを保って活用することができます。
※ここで紹介している機能・設定等については、JP-NETと共通ですので、JP-NETをご利用・ご検討中の方も、ぜひご参照ください。
タムラ製作所でのNewCSSの活用について
NewCSS活用の現場
タムラ製作所ではNewCSSは全社的に導入されており、知財部では調査業務に、開発部門ではSDI配信による新着情報の確認に活用されています。特に知財部では、膨大な公報の中から必要な情報を効率よく抽出することが課題となっていました。そこで、タムラ製作所の島田氏は、NewCSSの表示設定や画面構成を工夫することで、検索結果の公報を効率的に確認できる環境を構築。業務の大幅な効率化を実現しています。
効率化のためのNewCSS設定術
島田氏は、NewCSSの表示設定を事前に整えることで、常に快適な検索環境を維持しています。今回は、左側にテキスト、右側に図面を4つ表示するレイアウトの「テキスト表示」を中心に、具体的な設定内容をご紹介します。そのままでも読みやすい画面ではありますが、以下の設定を活用することで、より効率的な公報閲覧が可能になります。

- ①文書整形
- テキストが読みやすくなる(フォントの変更や句読点での改行等)
- ②ジャンプ機能
- 次公報表示の際に指定した項目(特許請求の範囲)にジャンプします
- ③従属請求項の非表示
- 独立請求項を見落とさずに確認することができます
- ④ハイライトバー
- ハイライトワードの記載量から公報の関連性を推測する
- ⑤公報情報表示
- 出願人と発明の名称を別ウィンドウで表示する
- ⑥テキストフォーカス
- ハイライトワードの含まれる文章のみを別ウィンドウに表示する
- ⑦全図面表示
- 別ディスプレイに表示することで多くの図面をまとめて確認できる
これらの設定により、ハイライトバーでキーワードを素早く確認し、従属項を非表示にした形で特許請求の範囲(独立項)のチェック、テキストフォーカスでキーワード周辺の明細書記載を確認し、必要に応じて全図面を一目で確認するという流れで、最小限の操作で必要な情報を確認でき、目的の公報を迅速かつ正確に探すことができるとのことです。

+αで活用している機能
これらの設定だけでなく、NewCSSの下記の機能も積極的に活用されています。
- ・クレーム査読
- 請求項が別ウインドウで表示され、左右に分けて請求項同士を比較表示が可能
- ・AIフォーカス
- 特徴点のテキストを入力するとAIが関連文章箇所をピックアップ
- ・レイアウト表示
- 最大8ウインドウを自由に配置・表示内容を設定し、印刷レイアウトにも設定可能
- ・短縮キー設定
- キーボードのFキーにショートカットの設定をする
- ・結果一覧マップ
- ダッシュボードで視覚的に結果を確認でき、簡易的調査結果まとめとして活用
※オプション機能のカスタムマップも活用


まとめ
このように、タムラ製作所ではNewCSSの多彩な機能を駆使して、日々の調査業務を行っています。
下記の機能で目的の公報を効率的に探すことを実施し、特許調査の効率化と精度向上を実現しています。
- 文書整形やウインドウ配置の工夫によりテキスト情報を効率的に確認
- 全図面ウインドウをモニタ最大化表示し、情報量が多く含まれる図面を効率的に確認
- 「クレーム査読」や「AIフォーカス」の活用により、公報の詳細確認をスムーズに実施
- 結果一覧マップで調査結果の全体的な傾向を視覚的に把握
これらの機能は全てJP-NET/NewCSSの標準機能。特許調査の効率化に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
番外編:JPDSユーザー会の活用
JPDSには、会員相互の交流や研鑽、JPDSサービスの改善を図ることが目的の団体「JPDSユーザー会」があります。タムラ製作所も参加しており、グループワーク等を通じて、最新の知財動向の入手や日々の業務に関する情報交換、JPDSツールの活用方法に関する情報交換を積極的に行っています。他社との知財に関するコミュニケーション場は限られており、JPDSユーザー会はその貴重な交流の機会として活用されています。
取材協力:タムラ製作所 知財管理統括部 島田 晴夫様
会社紹介
- 会社名
- 株式会社タムラ製作所
- 創業年月日
- 1924年5月11日
- 設立年月日
- 1939年11月21日
- 本社所在地
- 東京都練馬区東大泉1-19-43
- 事業内容
- 電子部品、電子化学材料、実装装置、情報機器等の開発・製造・販売
- URL
- オフィシャルサイト:https://www.tamuracorp.com
100周年特設サイト:https://www.tamuracorp.com/100th/

※本内容は公開時点(2026年1月)の情報です
※本内容は知財情報フェア2024の発表内容を元に作成しています


