特許調査・分析事例 -抗アレルギー点眼剤特許のランドスケープ-
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市場概況 -既存38製品とそれらのポジショニングマップ-
抗アレルギー・花粉症用点眼剤製品情報
各製品毎の薬効成分及び不活性成分
38品目中
赤:ロート製薬 一般用12品目
青:参天製薬 医療用2品目 一般用3品目
抗アレルギー・花粉症用点眼剤製品ポジショニングマップ
38品目中
ロート製薬 一般用12品目
参天製薬 医療用2品目 一般用3品目
ロート製薬と参天製薬の主力製品比較
38品目中
ロート製薬 一般用6品目…有効成分4種類4作用、4回/日
参天製薬 医療用2品目…有効成分1種類2作用、2回/日
抗アレルギー点眼剤メーカーと特許の群像 -遠景 市場プレーヤー10社-
出願年と出願人による分析
2014年までは3社以上出願した年が多く混戦模様だったが、 現在は、引き続き絶えることなく出願を重ねたロート製薬と、 2016年以降に急拡大した参天製薬の2強の様相。
業界全体の出願数による分析
業界全体の出願数のシェアは、 ロート製薬が他社を圧倒、参天製薬が二番手であり、 後続集団は千寿製薬、ライオン、大正製薬等からなるが、 動向としては格差が拡大の一途を辿っている。
出願人と成分による分析
ロート製薬が多様な有効成分をカバーしているのと対照的に、参天製薬は比較的新しいエピナスチンに特化。千寿製薬、ライオン等は従来成分から二三選択した組合せが大半。
成分と成分による分析
参天製薬が注力するエピナスチンは、他の有効成分との併用を特徴とした出願がごく少数。一方、従来からある他成分は互いの組合せが多用されており、特にクロルフェニラミンが汎用されている。
出願年とFI(有効成分・化合物の視点)と権利状態による分析
眼科用抗アレルギー化合物の出願で権利化後未消滅は実質4件のみ新規な医療用点眼剤の製品化に至った事例がほとんどなく、医療用が主である参天製薬も創薬R&Dでは勢いを失っている模様。
抗アレルギー点眼剤メーカーと特許の群像 -近景 圧倒的2強(ロート製薬と参天製薬)-
2社の売上高比較
ロート製薬 2022年3月期通期 国内売上高 「高額目薬」 371.8億円
参天製薬 2022年度 売上高 日本 「抗アレルギー点眼剤」 334億円
出願年と権利状態詳細判定による2社比較
ロート製薬は、2012~2018年の古い出願に審査結果未定、すなわち審査結果がなかなか確定しない/させないものが多い。
Fターム(製剤に関する観点)による2社比較
ロート製薬は、“クレームに1成分”、“薬効成分のみ”、“新薬効”のFタームが付与された出願が少ない。
総括
20年越しの継続が実を結んだ実例でありシンプルなプロダクトで競合する市場ゆえに特許による保護のチカラを再認識させられる好例
圧倒的2強時代到来の情勢
- 抗アレルギー点眼剤分野では出願数首位のロート製薬と二番手の参天製薬が、
一般用医薬品と医療用医薬品に棲み分けている。 - 両社がそれぞれの特許戦略で積極的に権利を取得、主要製品の保護に成功し、
市場におけるポジションを着々と固めている。 - ロート製薬は、複数の成分の配合剤に関する特許により
将来にわたって優位性を維持しうるポジションを固めたとみられる。 - 一方、参天製薬はエピナスチンへの依存度が高過ぎるが故に
アレルギー領域では将来に向けて盤石とはいえない部分もある。
そこで、加齢性疾患等、開拓の余地が残る領域で新たな収益の柱(新規化合物)の探索が急務とみられる。
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今回のサンプルでは抗アレルギー点眼剤特許についての分析をご紹介しました。
特許分析・マップ化をすることで技術全体の傾向や特徴を捉え、
出願戦略や特許ポートフォリオに活かすことができます。
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